改めて自己紹介「地球少年」篠原祐太 プロフィール
篠原祐太(しのはらゆうた)です。
1994年地球生まれ、慶應大学に在学中です。
とにかく地球が大好きで自然や生き物を愛してます。
現在は「地球少年」として昆虫食の魅力を発信してます。
『昆虫食』とは、虫を食べること です。
日本では、虫に対する強い嫌悪感や、先入観や思い込みも根強いです。しかし、世界では20億人が虫を食べているとされ、日本でもイナゴを食する文化もあります。僕は、昆虫食が大好きなんです。そこで、美味しくて楽しい昆虫食を届けることで、虫や昆虫食への偏見をとりのぞき、昆虫食の可能性を伝えていきたいと思ってます。昆虫食の溢れる魅力が偏見で埋もれちゃてるのはあまりに勿体ない。食の実感や未知に挑戦する喜び、体を動かす楽しさや自然の魅力 etc、昆虫食を通じて得られる喜びは無限大です。
『食は作業ではない、冒険だ』
ちょっと勇気を出せば楽しい世界が広がります。
ということで、様々な形で、昆虫食の魅力を届けているのですが、せっかくの機会なので、幾つか紹介させて下さい。
最近、最も手応えを感じているのは、コオロギラーメンです。
文字通り、コオロギで出汁をとったラーメンです。ラーメン一杯につき、100匹のコオロギを使っています。ラーメン凪さんと共同開発したのがきっかけでしたが、お陰様で好評をいただいています。友人が動画にまとめてくれましたので、良ければぜひ。
ラーメンに合う、サイドメニューにも、虫をたっぷりと。
まずは、コオロギ出汁の炊き込みご飯 スープと食べると病みつきに...
お次は、虫ワンタン。肉汁あふれてジューシー!
そして、ワーム春巻き さっくさくで止まらない...
お口直しには、バッタのパンナコッタを。お口の中が草原に〜
ぜひラーメンのフルコースは一度食べていただきたい。
詳しくは、このあたりの記事をご覧ください。
以前は、赤坂サカスでのフードフェスにも出展、600杯完売でした。
またフードフェス出たいな。オススメあれば連絡下さい。
因みに、ラーメンの販売時に要望が多かったので、
虫つけ麺 もつくってみました。春らしく爽やかに。
虫ごとの味の違いを楽しんでいただけるように、
コオロギ、トノサマバッタ、カイコと、3種類の虫を使用。
海外でも取り上げていただきました。↓
他にも、虫を贅沢に使った虫フレンチは好評でした。
食事だけではなく、虫スイーツもつくったりしてます。
(左から順に虫あんみつ、虫ケーキ、虫アイス、虫キャラメリゼ)
大切な人には、虫チョコレートで、
特別なバレンタインをいかがですか?
食べ物だけじゃなく、お酒もつくります!虫カクテルです。
お酒がマイルドで飲みやすくなります。
こちらも、友人が動画にまとめてくれました。ぜひ。
(Special thanks to Taishu Hoshino)
他には、虫中華や虫和食定食を販売したり、ありとあらゆる虫料理を創ってきましたが、長くなるので、ここでは割愛。虫料理の可能性はほんと無限大です。
最近は、いつでも美味しい虫料理が食べられる昆虫料理専門店をつくりたいと思ってます。飲食店に詳しい方、ぜひお力貸していただきたいですm(_ _)m
過去企画だと、闇鍋とかも好評でした。
普段はあまり食べられないけど実は美味しい生き物を贅沢に使って鍋をつくりました。見た目は手強いですが、味は美味しいですよ。『全ての食べ物は生き物である』
動画:コオロギやゴキブリが食材に、昆虫食伝道師の鍋パーティー 写真21枚 国際ニュース:AFPBB News
虫料理ケータリングもやってます。気軽に相談下さい!
誕生日や会社の周年パーティーでの利用が多いです。
特別な日に、ちょっと刺激的なサプライズを。
食べるだけじゃ物足りないという人には、
自分達で虫を捕まえて食すツアー
も開催しています。
これは夏や秋など「旬の虫」が多い時期によくやります。誰でも大歓迎です。ぜひ気軽に遊びに来て下さいね。昆虫食の醍醐味はここにつまっています!
「自然の楽しみ方を伝授してもらうツアー」でバッタと野草の天丼を食べた【レポ記事】 | 東京別視点ツアー
あとは、子供達を中心に、昆虫食や虫捕りのワークショップを開催したり、講演に呼んでいただいたり、記事を書いたり、様々な形で、昆虫食普及活動を進めてます。昆虫食の魅力をお伝えさせていただけるのなら、どこでも飛んでいきます!
ワークショップの様子はこちら。
地球少年こと篠原くんと、「虫」を食べてみた!?※虫が苦手な人は画像に気をつけて下さい。 | 青春基地
僕の生きがいは、自然や生き物に関わること全般なのですが、最近だと、都会サバイバルとかも、とても楽しいです。身の回りにある幸せと面白さ。
何も、アマゾンやアフリカにいくことが全てじゃないですね。(アマゾンとかアフリカも最高でしたが...)どんな環境でも、楽しむも楽しまないも自分次第。
基本的には、アオイエっていうシェアハウスにいます。昨年秋、友人と一緒につくった場所で、イベントもよくやってます。もうすぐ二軒目もできるかも。気軽に遊びに来て下さい!
以上、一部ですが、僕の昆虫食の活動を中心に、自己紹介させていただきました。ありがたいことに、多くのメディアにもとりあげていただき、自分が歩みたい道が見えてきました。美味しい昆虫料理と、楽しい昆虫食ツアーを軸に、昆虫食の魅力をこれでもかと表現していきたいです。創り続けるぞ〜 ここからが勝負ですね。
とはいえ、実際の体験や感覚が超大切になる昆虫食において、文字や写真で伝えられることは極々わずかで、限界があります。やってみないと始まりません。もし、興味を持ってくださった方がいれば、気軽に連絡ください。コラボとかも大歓迎です!
また、日々の活動やイベント告知はSNSで更新してます。よければ!
【Twitter】地球少年 / 篠原祐太 (@yshinoearth) | Twitter
【Facebook】https://www.facebook.com/y.shino.earth
参考までに、僕のHPです。
「自分の力を発揮できるところに、運命は開ける」
福澤諭吉先生の言葉です。そして、僕にとってはそれが昆虫食です。昆虫食にかける想いと情熱だけは絶対に誰に
愛する昆虫食で、より魅力的な地球を創っていきます。
『食は作業ではない、冒険だ』
地球少年 篠原祐太
海と共に生きる漂流民族・バジャウ族の村を訪れたら、天国だった話。
海に住み、海とともに生きる、漂流民族。
彼らは、海の上に家を建て、日々海に潜り、魚を獲って過ごしている。その名をバジャウ族という。(気になる人はバジャウ族とGoogle検索してみてください)
今回は、そんなバジャウ族の住む村に遊びに行ってきて、彼らと共に海に魚を獲りに行ってきたので、その様子をまとめてみました。
果たしてバジャウ族の実態はいかに?
と本題に入る前に、そもそも、なんで、バジャウ族の村にいったかに、軽く触れておきます。そう、僕の親友がバジャウ族の村に住んでいるからなんです。
彼の名は、松田大夢(以下ヒロム)
彼は21歳にして、バジャウ族の村に受け入れられ、一軒家を建てて、マイホーム暮らしをしている。彼は高校中退後、全財産数千円でフィリピンに渡り、ある時バジャウ族と出逢ったという。マイペースに我が道を歩む、真っ直ぐな地球愛に溢れた魅力的な男です。
ちなみに、彼のSNS(https://twitter.com/chilichilihot)を通じて流れてくる日々のつぶやきは非常に興味深いです。オススメ!
と、まぁ、前置きはこれくらいにして。
やってきました。バジャウ族の村。今回は大好きな仲間たちときました。自然を愛する僕の自慢の友人たちです。
ところは、フィリピンのセブ島。セブシティの南の海岸沿いに位置するマンバリンという地域に、バジャウ族の村はあります。バジャウ族についての詳細は、彼のブログに詳しく書かれています。併せてぜひ。
家は海の上に建ってます。本当にたってる。すごい。
家の内部はこんな感じ。(ヒロムの新居です)
うむ、綺麗。そして、二階建て。思ったより広い。
屋根を登るとこんな感じ。
海の上とは思えない景気。何時間でもここにいたいよ。
ちなみに、これが水浴び兼トイレスペース。大小問わず、排泄物はそのまま家の下の海にぽとりと。干潮時は、水がないので、臭いはまぁまぁします。例えて言えば、公園にあるぼっとん便所のようなイメージでしょうか。
お尻も、体も、バケツから水をすくって洗います。新感覚。でも、かなり気持ち良い。
家の間はこんな感じ。意外(?)にも碁盤の目みたいに整然としている。
と、家を軽く案内されたところで。
海へ行こう!とヒロム。彼は海を愛しているのです。
準備をすませて、いざ、海へ!
と思いきや、道が細いこと。細いこと。
やばいでしょこれ。
めっちゃグラグラしてるし、抜けそうじゃん。
「これ下に落ちたりしないの?」と聞くと、「よく落ちてるよ」とヒロム。よく落ちてるよじゃないよ。やばいって。笑
そんな感じでビビってると、子供達に笑われます。子供達は、慣れた足取りですいすいと追い抜いていきます。慣れるものなのか、これは。
やっとの思いで、舟着き場へ。いざ。
舟もたくさん。さすが漂流民族といったところか。
ただ、近年の都市開発の余波で、水は汚れてきてるみたい。匂いもなかなかきつい。
『10数年前はここの海もめっちゃ澄んでてゴミなんてなくて家の周りにも魚いっぱいいた。小さいころは家の前の海でよくビーチバレーしてたなぁ。周囲の開発が進んでから、ゴミがたくさん流れてくるようになって海も汚れてこんなに汚くなった。』
ヒロムの相棒のバジャウ族のデンジはそう言う。考えさせられる。
ふと、横をみると、犬の屍体が流れている。おお。
とまぁ、そんなこんなで、舟に乗り込む。これがバジャウ族の舟。イケてる!
いったん、さようなら、バジャウ族の村。本当に海の上にあるんだなあ。としみじみ。
しばらくすると、水が綺麗になってくる。
期待も膨らむ。
綺麗な海が近づくと、自然とテンションもあがる。
そして、そして、
そして、、
ぎゃー、なんだこれは。
すごい。すごい。綺麗すぎる。
こんなにも綺麗な海があってよいのか。
テンションが上がったまま、海へ飛び込む。
あぁ気持ち良い。
なんて綺麗な海なんだろう。ちょっと、探すと、魚もたくさん泳いでる。うわあ。
あまりの透明度に驚きを隠せない。さすがセブ島。
魚がいると放っておけないのがバジャウ族とヒロム。
さっそく、バジャウ族オリジナルのヤスを片手に潜っていくヒロム。
彼らはヤスはもちろん、フィンまでを手作りで作るのです。ちなみに、フィンはトイレのふたを作って作ってるみたい。
すごい生きる知恵だ。
すぅーっと海に入って、狙いを定めるヒロム。
パーン。とヤスを放つ。傘の骨だよ、これ。
おお、命中。すごい精度。
その後も次々獲物を捕らえていくヒロムとバジャウ族達。
漂流民族というだけあって、潜りもすごいものを見せてくれたが、彼らと対等に(いやもしかしたら彼ら以上に)魚を突き続けるヒロムがそこにはいた。
躍動していた。
彼はもうすっかりバジャウ族の人間だった。
いつも部屋で寝てばかりいるヒロムは何だったんだ。。。
開始15分ほどでこの量。勇ましいことこの上ない。
バジャウ族も負けじと狩り。すごい勢いで食料が集まってくる。
僕も負けじと突きます。
お?おお?
うわー、ウミヘビだ。ウミヘビ獲ったどー!
ほお、カッコ良い。一目惚れしちゃうよ。
ちなみに、猛毒みたいです。そそられるね。
と、大物?も獲りつつ、皆んなで楽しく潜り続けました。
いやー大漁ですね。素晴らしい。
干潮時のみ現れる島でビーチリゾート気分を味わったり、
皆んなそれぞれ、思い思いに楽しんでいました。
だんだんとお腹がすいてきたところで、獲った生き物たちを調理して食べよう。ってことで、島に移動して調理をすることに。
ぶっちゃけ、わざわざ島にいくのだるいな。って思いましたが、良い意味で期待を裏切られることになりました、、、!
おっ!?!?
お!
おおおおー!!!!!!
一言、天国。
こんな素敵な場所があるなんて。地球って素晴らしい。😭
いざ、調理へ。
まずは、ウロコをとります。ざくっざくっ。
その間に、野菜を切って、用意した酢をあえます。(バジャウ族と聞くと、超原始的な生活をイメージするかもしれませんが、家から歩いて行ける距離に市場もあり、野菜やお酢などはそこで購入しています。)
魂の料理人・デンジ。ヒロムの相棒です。いい笑顔!
デンジは絶賛日本語を勉強中。可愛い!
そして、
完成!!!!!
バジャウ料理です。カラフルな彩りに食欲もそそられます。
食べてみます。いただきまーす!!!
うん、うまいっ!最高です。
さっきついでに獲ったウニも食べます。
ぱくり。 (ヒロム絵になるなあ。。。)
あぁ、ウニだ。美味しい。。。
魚ばかりではなく、育てている鶏も食べます。
もちろん、その場で捌いて。。。
捌く過程も含めて、食べるってことなんだなと強く実感。すべての食べ物は生きている命だしね。
ちなみに、余談ですが、ウミヘビも食べました。
皮に切れ込みをいれて、、、
すぅーと切ると、
なんと、綺麗に皮が剥がれました!
スープにして食べました。
気になる味ですが、ウミヘビは見かけによらず?淡白でしたが、噛みしめれば噛みしめるほど、旨味が出てくるタイプの食材で、意外にもおいしかったです。あと、体によさそうな気がしました。エネルギー補充。
大満足なご飯を満喫した後は、バジャウの村へ戻ります。
村に着くと、 村の人たちとの交流を楽しみました。
夜は一緒に飲んでお話ししたり(皆んなお酒好きすぎ)
歌ったり、踊ったり、最高でした。
ちなみに、夜食にはウミガメが出てきました。どこまで魅力的な村なんだ。あぁ、最高です。
ウミガメを片手に満面の笑みのデンジ。
ウミガメ美味しかったなー。
そんなこんなで、とても濃厚で、ぎゅーっと自然の魅力や人の愛が詰まった時間をすごすことができました。バジャウ族、素敵すぎる。恋に落ちました。
ちなみに、コミュニケーションはどうするのか?
もちろん、英語をしゃべれる人もいますが、基本的には、現地語(バジャウ語やビサヤ語)しか、しっかりとは通じません。ただ、ヒロムが現地語をマスターしているので、通訳の役割もしてくれます。なんて心強いんだ、ヒロム。
ここに関しては一緒にいったゆーすけが素敵な投稿をしていたので、それを引用させていただきます。
現地では英語が通じる人が半々くらいで意思疎通がなかなか難しい。そんななかダンスは見て分かる、聞いて分かる、という優れた共通言語なのだとを強く感じた。この共通言語を使うことで、オカマもちっちゃい子も薬物中毒者も色んな人と仲良くなることができた。ダンスには感謝しかない。ダンスは世界に多くのコミュニケーションをもたらし、平和にしているんじゃないのかなあ、と思った。
実際、彼のダンスは多くの人を惹きつけ、バジャウ族との距離を一気に縮めてくれた。すごかったよ。
彼が踊ると、一瞬で人が集まってきた。一躍、時の人に。
とまぁ、こんな感じで、一緒に海泳いで魚獲ったり、料理作って食べたり、お酒飲んだり、船乗ったり、キャンプファイヤーしたり、雑談したり、歌ったり、踊ったり、しているうちに彼らとの仲も深まっていき、益々楽しい時間になっていくのでした。
子供も超可愛いし
バジャウ族はみな素敵な人たちだし
子供は超可愛いし
とにかく意心地がよく、安心感にあふれた場所でした。初めて行ったのに、まるで家に帰ったかのような気持ち。
そして、生きているという実感に溢れた場所でもありました。なにもかもが剥き出しのまま残されているというか。純粋なものがそこにはありました。そして、皆んなで生きていくんだという空気、助け合いの精神がしばしば垣間見えていました。
他でもなく、彼らはそこで生きていました。
どんな差別を受けようと、どんなに貧しかろうと、彼らは優しく、陽気で、強い。日々を精一杯生きている。
バジャウ族の村では、何をしても幸せだったし、何もしなくても幸せでした。彼らとの毎日が僕にとって大切な時間でした。あぁ、こんな素敵な場所が地球にあったなんて。来られて本当に良かった。
案内をしてくれたヒロムと温かく受け入れてくれたすべてのバジャウ族の皆んなに心からの感謝です。
そんなヒロムですが、現在、バジャウ族の村でこんな壮大な計画を企てています。
彼のこのプロジェクトが上手くいくかはわかりません。細かいところの詰めも甘い気もします。けれど、ヒロムの前ではそうした突っ込みは大きな意味を持ちません。彼は彼なりに信じる道で既に挑戦を始めています。僕自身、今回彼の元を訪れて、バジャウ族たちと楽しい時間をすごす中で、心の底から応援したいと感じました。
こういう生き方をしている仲間がいるだけで嬉しいし、ヒロムには今後もヒロムらしく突っ走って欲しい。彼の挑戦も少しでも多くの人に知っていただきたいです。
ヒロム、頑張れよ!全力で応援してるよ!!!
ちなみに、ヒロムはいつでもウェルカムみたいなので、もしこの記事を読んでバジャウ族に少しでも興味を持たれた方がいましたら、ぜひ彼に連絡してみてください。(僕に連絡してくだされば僕経由でも紹介します)
ということで、ぜひ皆さんも、バジャウ族のもとへ足を運んでみてください。そこでは、素晴らしい自然と愛に溢れた世界があなたを待っています。
最後に。一緒に行った仲間たちの動画です。
ここにいくとこれくらいのテンションになること必至です。自然好き、人間好きには激しくお勧め!!!
(終)
閲覧注意《映像有り・犠牲祭》牛の血はどこまでも鮮やかな赤でした。
インドネシアに行ってきたのですが、そこで見た光景が衝撃的で、ブログに残したいと強く感じたので、超久々(2年以上ぶり)に更新します。
僕は、イスラム教最大の祝祭「イード」に立ち会いました。
イードとは、イスラム教で定められた宗教的な祝日で、メッカ巡礼の最終日にあたるこの日、イスラム教徒たちは、アブラハムが息子の命を神のために犠牲にしようとしたことをたたえ、アッラーに牛やヤギなどの生き物を捧げます。そして、それにより、神へのお近づきの印・命への感謝の気持ちを表現するという一大行事です。
日本語で言うところの犠牲祭。
当日の朝、モスクには沢山のイスラム教徒たちが集います。まずは、礼拝。
礼拝が終わると、いよいよ「その時」が近づいてきます。
まるまる太った3頭の牛と7頭のヤギたち。
彼らは柱に繋がれていて、まるで死を悟るかのような穏やかな表情でゆったりとしています。寝ている子もいました。可愛い。
周りには、礼拝を終えた方々が続々と。次第に、さばく者たちも集ってきます(資格がある人のみが動物をさばけるみたいです)
準備が整うと、牛たちは一頭ずつ連れていかれます。
そして、ロープで手足をぐるぐるにされます。
負けじと、牛も猛反撃。。。
その反撃のすさまじさたるや。特に牛は凄かった。正直怖かった。人殺されても全然おかしくないレベル。ただ、それでも、最後は集団の力に負けて、切れ味鋭い大きなナイフで首をガーッと切られる運命なのです。
いよいよ。
以下、閲覧注意になります。
血が苦手な方など、お気をつけ下さい。
牛を切る者も、周りを囲むイスラム教徒たちも、そう唱え続けます。
しかし、これだけのサイズの牛、そう簡単に首は切れません。
切り終えるまでの十数秒間。牛の断末魔の叫びに合わせて、これでもかというくらい真っ赤な色をした牛の血が勢い良く周囲に飛び散りました。
この瞬間、あぁ、美しい、と思いました。
可哀想とか、痛々しいとか、ショッキングだ、とか、そういう気持ちをずっと通り越して、ただただ美しかった。神秘すら感じました。
いまだだかつてみたことのない真っ赤な血。これ以上鮮やかな赤はないんじゃないかってくらいに。大げさでもなんでもなく。
そして、首が切られても尚、牛は暫くの間、血を放出し続けました。当然、それを観察していた僕の体も赤で染まります。
生暖かい血を浴びた時、そこに命を感じました。
映像もあります。興味ある方はあわせてぜひ。
牛から流れ出る血の元には、人々が集まっていました。
彼らは、血を手で感じ、すくいあげ、中には血で顔を清める者も。
神聖なんでしょう。血を楽しむ者、それを真似する者、写真を撮る者、ただ眺める者、目を背ける者。人はみな思い思い、その瞬間に立ち会っていました。
それにしても、美しいこと。
とまぁ、そんな余韻に浸る間もなく、屠殺し終えた牛たちは、みるみるうちに食べ物に変わっていきます。
まずは、ナイフを使って皮をはがします。
(写真はヤギです)
そして、内臓をとりだすと共に、肉も扱いやすいサイズに切り分けていきます。
その手際のよさも光っていました。肉の部分はもちろん、内臓も綺麗に洗っていて、命を丸々とフル活用しようとする姿勢が心に残ります。
食べ物への感謝の気持ちも自然と生まれてきます。
僕らが普段食べている食べ物も全て、誰かしらの手によって、屠殺され、解体されるお陰で、僕らは命の恩恵に預かり、食べ物を美味しくいただけている、という事実を、改めて、感じさせられました。
解体された肉は、3分の1を自分たちで食べ、3分の1はプレゼントし、残りの3分の1は貧者に配るそう。この牛は、誰の者でもなく、他でもない皆のものなのです。
当然、人々も興味を持って、解体の過程を見守っていました。
子供達の姿が多かったのも印象的でした。きっと彼らは、彼らなりに、目の前の光景と向き合い、命や食というものを感性豊かに捉えて、各々考えていくのだろうな、と勝手ながら考えたりもしました。
だってこれは、まぎれもないリアルなのだから。
解体が一息つくと、ぽつぽつと人は帰り始めます。そして、家で待つ者のもとへ、「肉」を届けにいきます。
動物を持つ者も持たない人も、裕福な者も貧しい者も、みんな平等。この犠牲祭という日には、誰もが、アッラーに捧げられた動物の肉を等しく食べます。
100人いれば、100人が違う人生を歩んでいて、誰一人として同じ生き方はないけれども、神の前では皆平等だし、本来、人間の尊さや命に一切の差はないんだ。皆平等なんだ。
そんなことを考えながら、人々で賑わうモスクを後にしました。
日頃行っている昆虫食と、狩猟時における解体と、食肉加工センターでの屠畜と、今回の犠牲祭。どれも、食べるために生き物を殺すという同じ行為ですが、少しづつ違った感覚を覚えたりします。(もちろん、同じ部分も多いですが)それぞれの違いを大切にしつつ、もっと掘り下げてみたいです。
ご馳走様でした。
P.S. 余談ですが、牛一頭は25000円ほどで買えるみたいです。僕の友人が「君、この牛を買わないかい?安くするよ」と営業されました。安すぎでしょ
(終)